フリーターは気楽で自由な面もありますが、将来のことを考えると「このままでいいのかな?」と不安になることもあるもの。
フリーターを長く続けることにはリスクもあり、自分自身の将来としても周囲の目なども気になってきます。
ふと不安を感じたら、いつまでフリーターを続けるか検討したり、正社員になる方法を模索してみたりしてみませんか?
フリーターはいつまで続けられる?
フリーターでいることに期限などはありませんが、長くフリーターをしているとあれこれと弊害が出てくることもあります。
大体目安としては、20代前半くらいまでは「まあ、まだ若いからね」で済みますが、20代後半を迎えると男女ともにちょっと周りも自分も焦りを感じることが多いようです。
親や親せきがうるさい・冷たい目で見られる…
フリーターをいつまでも続けていて困るのは、親や親せき、近所の人の目です。
フリーターを数年間も続けていると、親や親せきなどは「あんた、いつまで就職しないの」と急き立て始めます。
近所の人は直接何か言ったりしませんが、陰で「あそこの家の上の子はまだフラフラして」などとウワサしていることもあります。
また、昔なじみの商店街を歩いていると、おせっかいな店主に「うちの店の跡継ぎになるかい?」や「「うちの息子の嫁にくるかい?」などと声をかけられることもあります。
そろそろ結婚を考えたい…
今の世は男女限らずフリーターは避けられがち。
家事が完璧ならともかく、一度も正社員になったことがない(いわゆる「定職に就いたことがない」)人は婚活市場でも敬遠されます。
そろそろ結婚して家庭を持ちたいな、と思うなら、フリーターも卒業する頃合いかもしれません。
正社員とフリーターの有配偶率(男性)
公的なデータでも、フリーターの結婚できる確率は正社員より低いことが分かっています。
以下のデータは、男性の雇用形態別の有配偶率です。
(女性は結婚や出産の結果、雇用形態を変える人がいるため、この統計では対象外にされています)
正社員が結婚する割合は、年齢とともに伸び、30代で6割に届く勢いです。
ところが、パートアルバイトや無職の人はずっとなだらかに10パーセント台が続きます。
正社員の半分が結婚している年齢でも、フリーターは10人に1人くらいしか結婚できないというわけです。
女性も専業主婦狙いのフリーターは危険かも
女性でも「結婚して専業主婦になればいいや」という思惑は甘すぎます。
最近では、多くの男性が共働きする女性を希望していますし、一生働かずに生きられるかどうかなど、誰にも分かりません。
また、結婚したものの、万が一、子供を抱えて離婚や夫と死別の事態になったらどうするのでしょうか。
いずれにせよ、職歴は大切です。
30代をすぎるとフリーター向け求人はグッと減る!
「フリーターをいつまで続けられるか」は「いつまで求人があるか」にかかっています。
フリーターの生計を支えるアルバイトの求人も、基本的には若い世代をターゲットとしたもの。
年齢が高くなるにつれ、自分に合うフリーター向け求人は徐々に減っていきます。
また、職場の仲間がだんだんと年下ばかりになっていき、ジェネレーションギャップや場違い感を覚えます。
主な目安としては、30代を過ぎるとフリーター向け求人に困ることも起こるかもしれません。
周りの人がフリーターに就職することをすすめる理由
周りの人の目が気になり出し、親や親せきの声がうるさくなるのは、フリーターが恵まれた環境とは言えないためです。
若いうちは「楽しい」「自由!」というだけでもいいですが、徐々に待遇の悪さを感じ始めるでしょう。
ただし、ある程度年齢が進むとフリーターを脱するのが難しくなります。
周囲の人がうるさくなってきたら、どうしてフリーターを止めさせようとするのか、うるさく就職を勧めるのか、改めて考えてみましょう。
将来が心配だから
フリーターを止めて、就職してほしいと言うのは、将来を心配してのことです。
フリーターは退職金もありませんし、ボーナスも出ても微々たるものです。
有給休暇はありますが、それでも勤務に入らないと基本的にはお金がもらえません。
20代の頃は風邪一つひかなくても、徐々に体は弱ってきて、お休みすることだって出てきます。
正社員だって終身雇用の時代は終わったと言われていますが、アルバイトよりは安定しており、少なくともいきなりクビになることはありません。
そのため、フリーターで働き続けるくらいなら、早めに正社員になってほしいと思うのです。
正社員とフリーターの待遇の違い(厚生労働省のデータから)
厚生労働省のデータによると、正社員と比べて正社員以外の労働者は「退職金制度」や「財形制度」などが適用されにくいことが分かります。
また、フリーターは福利厚生施設の利用や社員教育などのチャンスも正社員に比べて少なくなっています。
一生懸命働いても評価が上がらないため
アルバイトは、いくら一生懸命働いても、努力しても、企業から高く評価されません。
正社員と同じ仕事をして、同じ成果を上げても、評価は正社員の方が高くなります。
また、そもそも個人の力量で成果を上げられるような仕事をさせてもらうこともあまりありません。
そんな不遇な境遇だから、親などはフリーターを止めてほしいと思うのです。
ただ単に体裁が悪いため
フリーターをしていることに文句をつけるのは、ただ単純に体裁を気にしていることもあります。
子を愛する親心としてうるさくするのは、体裁だけではないかもしれませんが、それも一つの理由と言えるでしょう。
特に、親世代のように年配者からは、フリーターの印象はすこぶる悪いものです。
正社員が偉いと思い込んでいるから
正社員が偉い、フリーターはダメと思い込んで就職を勧めるおせっかいさんもいます。
フリーターの身分が不安定なのは確かなことですが、だからと言って正社員が偉いわけではありません。
将来の準備のためにフリーターをやっている人、事情があって働き方をセーブしている人などは、こうした雑音に振り回されないで自分の道を進んでください。
(かくいう筆者も今はフリーランスなので正社員とは程遠い存在です)
フリーターから正社員転職するための心構え
筆者は訳あって20代で一度、30代で一度、フリーター化した時期がありました。
割のいいアルバイトをしていましたが、「将来○○をしよう!」と決めていたわけでも、事情があって正社員ができないわけでもなかったので、正社員としての道を模索しました。
正社員から正社員になるよりも、フリーターから正社員になるのは少し大変。
そのため、これから正社員就職を目指すフリーターの方は以下の点を意識して注意深く準備してください。
20代フリーターが就職するには
20代フリーターは、まだまだ正社員の道も幅広く、ポテンシャルも高く評価されることが多い人たちです。
そのため、経験や実績はなくても心配せずに就職活動を行いましょう。
20代前半は元気とやる気を前面に!
フリーターをやらずに就職した場合でも、まだまだ大して実績や経験は積んでいない20代前半。
同世代との勝負でも、実績や経験で大きな差を付けられる心配はありません。
経験はなくても、元気とやる気を前面に出した就職活動で、正社員を勝ち取りましょう。
30代フリーターが就職するには
30代のフリーターが就職するには、かなりの覚悟が必要です。
おそらく面接などでは「なぜずっとフリーターだったか」を聞かれるので、それに対する答えだけはしっかりと準備しておきましょう。
理由がきちんとしていれば、フリーターであったことを問題視されることはありません。
それよりも、現時点で何ができるのか、戦力になるのかを見られます。
そのため、30代でフリーターから正社員になるには、自分のスキルの棚卸をしておくことが大切です。
自分の得意なこと、仕事で得たスキルや知識などを書き並べてみましょう。
こうすることで、自分に向いていて、好きな仕事なども見えてくるかもしれません。
フリーターはいつまでも続けられるものではない
フリーターは気楽で楽しいものですが、人生ずっとフリーターでいられる人はそう多くありません。
そのうち、何かしらの定職に就くことになるでしょう。
それならば、できるだけ早めに次の一手を考えた方がお得です。
企業は若手であればスキルも実績も経験もあまり重視しませんが、年齢が進むとスキルや実績のない人は敬遠されてしまいます。
正社員は責任があって嫌だな、と思う人もいるでしょうが、バイトだって責任はないわけではありません。
それに、意外と正社員のやりがいや責任のある仕事もいいものです。