「福利厚生のいい会社に入りたい!」
このように思っている人は多いですが、実際に福利厚生がいい会社とはどんな会社でしょうか?
福利厚生の良さは入社前に外側から簡単に見えるものではありません。
どんな福利厚生が揃っているか確認する方法や、確認する際の注意点などを解説します。
福利厚生がいい会社とは
会社で義務付けられている法定福利厚生は当然として、法定外福利厚生が整っていると、その会社は魅力的だと思われます。
しかし、名目や種類の多さだけでなく利用価値がある福利厚生が整っていて、使える環境がなければ、本当にいいとは言えません。
法定福利厚生と法定外福利厚生
法定福利厚生とは、健康保険などの会社で必ず導入しなければいけない福利厚生です。
どんな会社でも従業員がいたら整備しなければいけません。
法定外福利厚生は、会社が独自に従業員へのサービスとして提供するものです。
法定福利厚生はどの会社も基本的には同じなので、福利厚生の良さを比較する上では法定外福利厚生の良さに目を向けます。
福利厚生の内容が充実している
福利厚生の良さを測るポイントとしては、福利厚生の種類がある程度充実していて、しかも内容が魅力的であることが大切です。
法定外福利厚生で人気が高いものは昼食など飲食費の補助やサービスです。
また、金銭の補助や手当、法定休日以外の休暇なども使いやすくて魅力があります。
従業員が平等に利用できる
豊富で魅力的な福利厚生が揃っていても、実際に使えなければ意味がありません。
いろいろな福利厚生が揃っているのを楽しみに入社したものの、仕事が忙しくて利用する暇がない、条件が厳しくて実際には使えなかったケースもあります。
福利厚生がいい会社は、その福利厚生を使いやすく、利用実績も豊富です。
福利厚生によって働く意欲がアップしている
福利厚生は、会社側が従業員の働く意欲を高めるために作るものです。
決して遊びで整備しているわけではありません。
そのため、福利厚生をしっかり考えて作っている会社では、福利厚生のために従業員がイキイキと働けています。
反対に、福利厚生が会社側の目的を果たさなければ、その福利厚生サービスは意味がないと考えられ、いずれなくなってしまうかもしれません。
福利厚生のいい会社に入るメリット
福利厚生は、会社が従業員のために提供するサービスであり、「金銭以外の報酬」でもあります。
福利厚生には会社ごとにバラツキがあり、充実している会社とそうでない会社があります。
福利厚生がいい会社では、健康的で意欲的に働けて、会社に貢献しつつも自分も成長できます。
会社の経営がしっかりしている
福利厚生は、会社がその費用の一部もしくは全額負担して、従業員の健康や暮らしやすさ、働きやすさを高めるサービスです。
そのため、経営が不安定だったり、従業員のことを考えていない会社では福利厚生の整備はできません。
経営が安定しているからこそ、会社持ちのサービスである福利厚生を整えられるのです。
また、福利厚生は従業員のためのものですが、従業員のやる気を高め、雇用を安定させるなど、会社の利益になるものです。
きちんと考えられた無駄のない福利厚生がある会社は、経営陣がしっかりしていると見ることもできるでしょう。
従業員の満足度が高く会社全体がイキイキしている
福利厚生がいい会社は、従業員の満足度が高くなり、従業員が生き生きと働けます。
十分な手当や休暇、レジャーなどを得て、心身共に元気でやる気もみなぎっています。
明るく元気な風土の会社に入社できれば、自分も楽しく働けるでしょう。
休暇や手当・サービスを楽しみながら働ける
福利厚生が充実しており、利用しやすい会社に入社できると、休暇やレジャー施設を楽しみながらメリハリをもって働きやすくなります。
また、手当があることでお給料が底上げされて金銭的にも楽です。
スキルアップで成長を感じられる
福利厚生にはスキルアップのための制度もあります。
会社が書籍代やセミナー費用の補助、資格取得支援などを行っていると、働きながら成長していけます。
転職で福利厚生のよさを確認する方法
転職活動で福利厚生のよさを確認することは大切です。
待遇の良い会社に入社できれば、居心地が良く、長続きしますが、居心地の悪い会社に入ってしまうと転職歴ばかりが増えてしまいます。
福利厚生が全てではありませんが、福利厚生がきちんとしていることで従業員に優しく、経営も正しく行われていることが予想できます。
求人情報の待遇欄を見る
求人情報に福利厚生の情報は書かれています。
待遇・福利厚生などの項目に箇条書きでカンタンに記されているのが一般的です。
基本的なものとしては、
- 交通費全額支給
- 社会保険完備
- 退職金制度あり
- 借り上げ社宅制度あり
- 各種研修制度あり
- 託児補助あり
などがあります。
また、丁寧な会社では、産育休取得実績、有給取得実績なども書かれていることがあります。
口コミを調べる
就職や転職を目指す人向けの口コミサイトも福利厚生を知るのに便利です。
元社員や現社員などがリアルな実態をあけすけに語っており、かなり現実的なところが見えるでしょう。
OB・OG訪問で聞く
OB・OG訪問は、入社したい会社に在籍している大学の先輩にお話を聞くチャンスです。
最近では、アプリを通してOBやOG、歳の近い社員に話を聞けるサービスもあります。
見知らぬ口コミよりも信憑性が高く、面接官より身近なため、チャンスがあったら大いに活用すべきです。
会社説明会・面接で聞く
会社説明会や面接でも、福利厚生について詳しく聞くことができます。
話の流れで聞けたらそれでも良いですが、大体は最後に「何か質問はありますか」と聞かれるので、その時に聞けます。
ただし、福利厚生の内容によっては聞きにくい内容もあります。
尋ねやすい福利厚生とポイント
聞いても面接官の印象を悪くせず、むしろ前向きに捉えられるのは、スキルアップ制度や会社が就活生にPRしているユニークなサービスです。
スキルアップやキャリアアップのための制度について聞くことで、やる気アピールになります。
当社自慢の福利厚生について聞かれたら、場も和むかもしれません。
ただし、案内を読めばわかるような単純な質問をすると「企業研究をしていない」と思われ、印象が悪くなることもあります。
尋ねにくい福利厚生と聞き方
反対に聞きにくいのは、休暇制度や補助や手当といったお金のことです。
これらを聞くと、待遇ばかり気にしてやる気がない人と思われる恐れがあります。
こうした質問は、前向きで正当な理由とともに聞いてみるのがおすすめです。
育児休暇を聞く場合には「子どもが生まれてからも長く働きたいので」と長く働く気持ちを押し出します。
家賃補助などを聞くなら「入社後は会社の近くに引越したいと考えており」と、すでに入社を意識していることをアピールすると良いでしょう。
転職エージェントを利用する
転職エージェントは、転職したい人と求人したい企業をつなぐサービスです。
転職エージェントに登録すると、アドバイザーが付いて、求人を紹介したり、面接対策したりと、転職したい人をサポートします。
また、転職エージェントでは、企業とのミスマッチを防ぐために、求人企業の風土や職場環境を詳しく把握しています。
そのため、福利厚生の実態についても、アドバイザーから有益な情報が得られそうです。
福利厚生を確認する際の注意
福利厚生の現実を確認する際には、いくつか注意すべき点もあります。
リアルな使い勝手を見極めるために、冷静な判断が必要です。
あっても使えなければ意味がないため、客寄せパンダ的な使えない福利厚生には注意しましょう。
記載や会社側の回答がうわべだけの場合もある
求人情報の記載や面接官の回答は、全てが現実に即しているとは限りません。
実際には、名目上の福利厚生であり、取得することができない、取得しにくい環境や風土になっていることもあります。
特にブラック企業では、こうした風土を故意に隠し、だまして入社させる気かもしれません。
また、元社員の口コミなどは、サイトによっては信ぴょう性が薄い場合もあります。
過度に悪口ばかり、過度に褒め称えてばかりはサクラの可能性が考えられます。
レジャー系は思ったより使わないことも多い
福利厚生サービスは、求人などで見て想像している間は魅力的に感じますが、いざ入社すると使わないものもあります。
会社の保養所や提携ホテル宿泊の補助、スポーツ施設などは、意外と使いにくいサービスです。
実際に行ってみると施設が古くて使いにくかったり、補助金よりも出費が大きくなったりすることで、最初だけ使ってそれっきりになることもあります。
言葉の響きやなんとなくの魅力だけで期待しても、現実的ではありません。
利用するのが恥ずかしいものもある
福利厚生の中には、「失恋休暇」や「離婚休暇」などユニークなサービスもあります。
こうした休暇は入社前には「面白いな」と思うものの、実際に利用するには恥ずかしさが募ることも多いでしょう。
女性の生理休暇なども、人によっては取得しにくい福利厚生です。
転職するなら福利厚生もチェックを
会社選びは福利厚生がすべてではありませんが、福利厚生が充実しているのはかなりのメリットです。
また、福利厚生が充実していて、きちんと利用できるのは、会社が健全に正しく経営されている証でもあります。
転職するなら、給与や労働環境はもちろんのこと、福利厚生についても調べておきましょう。