リサイクルショップや買取専門店などで不用品を売却することは、環境にもお財布にも優しい選択肢。
しかも、中古品の買取価格は自分のちょっとした工夫次第でより高く売ることもできます。
自分ではもう使わない商品は上手に活用してより多くの現金を手に。
リサイクルショップで働いていた筆者が、中古品を高く売るためのコツと利用の不安を払拭するマル秘裏話を紹介します。
リサイクルショップとは
リサイクルショップとは、中古品を売買しているお店です。
お客さんは、商品を持ち込んで売る人と店で販売している商品を買う人がいます。
リサイクルショップでは誰でも商品を買うことはできますが、売ることができるのは18歳以上の人です。
(中には19歳や20歳以上の店も)
リサイクルショップの仕組み
リサイクルショップは、個人のお客様から商品を仕入れて、再びその商品を個人のお客様に販売する商売です。
誰かの使わなくなった品を、次の新しい持ち主へと届ける仲介役とも言えます。
この仕組みによって、中古品、不用品を捨てずに再利用でき、SDGsにもつながります。
個人で利用する人も、不用品を現金化できる、ものを安く買えるだけでなく
地球環境に優しい消費に貢献しているということです。
リサイクルショップの買取の流れ
step
1商品を店に持ち込む
リサイクルショップの買取では、商品は自分で持ち込む方法と郵送で持ち込む方法があります。
郵送の場合には、事前に連絡して梱包材などをもらい、そこに商品を詰め込んで送るのが一般的です。
step
2スタッフによる査定を受ける
査定とは、商品をチェックして買取価格を決めることです。
見た目の良さや機能が正常に働くか、壊れているところがあるか、など、商品のコンディションをくまなく見ます。
さらに、その商品がいくらで再販できるか(再び店で販売できるか)を考慮して、買取金額を決めてくれます。
step
3買取価格に納得したら売却の手続きをする
価格に納得したら、売却に同意する書類に署名をします。
その際には身分証明書の提示も必要です。(古物営業法という法律で決められたルールです)
こうして買い取られた商品は、再びお店で売られて、誰かの元に届けられます。
リサイクルショップで扱う商品
リサイクルショップでは、さまざまなジャンルを扱っています。
主に取り扱いが多いのは以下のジャンルです。
- ブランド品
- 貴金属
- 洋服・靴・ファッション雑貨
- 日用雑貨
- 家電
- おもちゃ・ゲーム
- パソコン用品
- 楽器
- 古本
- 骨董品・美術品
- 着物
ブランドに特化したお店や本、パソコン関連グッズの専門店などもあり、それぞれの店で買取と販売を行っています。
ちょっと変わったところでは、釣り道具や工具などを買取・販売する店もあります。
また、SDGsの推進に伴い、食品(未開封)も扱うリサイクルショップが出てきました。
リサイクルショップで高く買い取ってもらうコツ
リサイクルショップで不用品を売却する際には、スタッフによる査定が行われます。
この査定によって買取価格が決まりますが、買取価格は工夫次第で高くなることがあります。
「中古品には一つとして同じものはない」という格言(?)もありますが、実際に一つひとつの商品はどれも違っており、コンデションや人気、中古市場の相場などによって買取金額も異なるものなのです。
高く買い取ってもらうコツ
- 商品に合った専門のリサイクルショップを活用する
- 季節商品は需要が高まるタイミングを見定める
- メンテナンス・汚れを落とす
- できるだけ付属品を揃える
- 店がヒマな時間帯に行く
- 相場を調べておく
- 複数のショップを回ってみる
専門のリサイクルショップを活用する
不用品を高く買い取ってもらうためには、その商品を専門的に扱う店に持ち込むことが大切です。
専門性の高い店の方が、商品知識が豊富なため、思い切った高値を付けてくれる確率が高まります。
反対に、専門知識のない店では(真贋も含めて)高く買い過ぎて失敗するリスクを恐れ、高値を付けられません。
特に、以下のようなジャンルは専門店へ持ち込む方が高値が付きやすくなります。
- ブランド品(特に超高額なハイブランド:エルメス・ロレックスなど)
- カメラ用品
- 釣り道具
- 工具
- 楽器
- 骨董品・美術品・着物
- トレーディングカード
季節商品は需要が高まるタイミングを見定める
季節によって売れ行きが変わる商品は売るタイミングも大切です。
たとえば、洋服ならコートやニットは冬、キャンプ用品は夏、カメラは出歩く機会の増える春がベストシーズンです。
こうしたベストシーズンの前に査定に出すことで、買取価格が上がることがあります。
在庫を長く持ちたくないため、ショップ側もすぐにシーズンを迎える旬のものを買い取りたいと思っているのが理由です。
メンテナンス・汚れを落とす
どんなものであれ、中古品は汚れや傷などが多少なりともあります。
しかし、そういった汚れや傷は査定に大きく響くものです。
基本的に買取された商品は他のお客様に売るので、少しでもキレイなものの方が高値が付きます。
そのため、持ち込む前にはできるだけ掃除やメンテナンスをして汚れや傷をなくすことが大切です。
ただし、メンテナンスに失敗して余計にひどくしないように、注意しましょう。
柔らかい布で乾拭きする、クリーナーで磨くなど、商品ごとに適切なメンテナンスが必要です。
できるだけ付属品を揃える
購入時に商品本体に付いてきた付属品の有無も査定額に影響するものです。
ブランドバッグであれば、外箱や保証書、ギャランティカード、包装紙やリボン、ショッパーバッグなどがあります。
また、バッグの替えのストラップ、時計の替えベルトや替えのベゼルなども大切です。
たとえば、エルメスのバッグではカデナ(南京錠)が付くものがありますが、カデナそのものだけでなくその鍵も重要。
小さな鍵は特に失くす人が多いため、揃っていると好印象は間違いないでしょう。
また、カメラなどの商品は別途購入したオプションのアイテムもセットにすると高値になることがあります。
店がヒマな時間帯に行く
高値買取のかなめは査定スタッフの入念な査定です。
そのため、店が混んでいる時も暇そうな時間帯を狙って、じっくりと見てもらった方が高値の確率が高まります。
土日祝日よりも平日、平日でも夜よりも昼間がベストタイミングです。
土日なども、開店直後の早い時間帯は空いていることが多くなります。
相場を調べておく
査定に出そうと思ったタイミングで、自分の商品の相場を調べていくらくらいになりそうか確認しておくことをおすすめします。
相場は「(商品名) 買取価格」「(商品名) 中古 買取」で検索すれば出てきます。
買取価格は、中古市場の相場を参考に決めている店も多いものです。
中古市場の価格相場はブームや季節、ニューアイテムの発売などに影響を受けて変化するため、それとともに買取価格も変化します。
価格相場が上がっている時は売り時のため、早めに査定に出しましょう。
また、フリマやオークションサイトの価格と比較して査定額が大きく下がる時は、そういった場で個人的に売ることも選択肢に入れると良さそうです。
複数のショップを回ってみる
商品の価格相場を知りたい時には、複数のリサイクルショップで査定のはしごをしてみるのもおすすめです。
リサイクルショップでは比較的気軽に査定を受け付けていますし、査定額に納得できなければ売らずに持ち帰ることもできます。
相場を見極めるのが難しい商品もあります。
その場合には複数のショップで実際に査定してもらい、その価格を参考にどこで売るか決めた方が合理的です。
ちょっと気になるリサイクルショップの疑問(裏話)
最後に、リサイクルショップで働いていた経験を持つ筆者の体験から、ちょっとした裏話を紹介します。
気になる疑問を解消してから、安心してリサイクルショップを利用しましょう。
リサイクルショップで鑑定はできないの?
リサイクルショップや買取専門店などで行われる商品の確認は、「査定」にあたります。
査定は商品のコンディションなどを確認して、買取価格を提案することです。
一方、鑑定とは科学分析などを含めた専門的な評価をすることを言います。
そこまで専門的な鑑定は買取の際には必要ありません。
また、ブランド品においては
「ブランドの正規品だと断言できるのはそのブランドのスタッフだけ」
という話も聞いたことがあります。
(お店によっては有資格者を置き、「正規品の鑑定済み」と称した商品を販売していることはあります)
リサイクルショップにブランド品を持ちこんだら「本物ではない」と言われたんだけど?
原則的に、リサイクルショップなどの買取では真贋の鑑定はしません。
……というのが少なくとも表向きな見解です。
ただ、どうしてもブランドや貴金属などは、正規品であるかどうか、本物の金やプラチナであるか、などが不明なまま買い取れません。
そこで、査定スタッフも勉強して一通りの真贋の基準などを覚えます。
しかし、お店で査定スタッフに「本物ではないから買い取れない」と言われても100%信じてはいけません。
あくまでもスタッフが言いたかったのは「本物であると確証が得られなかったから買い取れない」ということです。
ブランド品の鑑定を必要としている時は
鑑定してほしいブランド商品がある場合には、正規店を利用しましょう。
ブランド品の場合には、正規店へ出し、「クリーニング(補修、オーバーホールなど)をしてください」と依頼してみましょう。
(有料のサービスの場合もあるため注意を)
もしもニセモノだった場合には、「うちの商品ではないためできません」と返答されます。
当然ですが、正規品の場合にはすんなり受け入れられます。
ジュエリーの鑑定を必要としている時は
ジュエリーもそのブランドの正規店や購入した店で鑑定してもらえます。
買った店が分からないジュエリーの価値を知りたい場合には、GIA(米国宝石学会)やAGTジェムラボラトリーなどの宝石鑑定専門機関が利用可能です。
鑑定書を発行する際には料金がかかります。(AGTジェムラボラトリーの料金表※外部サイトへ)
宝石専門の買取店の中には鑑定ができる鑑定士を持つ店もありますが、鑑定書を発行してくれるかどうかは店次第です。
自分が売った商品はそのまま店頭の販売コーナーに並ぶの?
チェーン店では原則的にその店で買い取った商品をそのまま店頭の販売コーナーに並べることはありません。
「どのお店でもそうです!」とは言い切れませんが、少なくとも筆者が勤めていた店ではそうでした。
その日に買い取った商品は、一度本社へ送られ、再度査定を行った後クリーニング・メンテナンスが行われます。
販売の準備が整ったものは、買い取った店以外の支店へ送られ、その店頭に並びました。
長く売れ残った場合には、支店を変えて販売することもあるため、巡り巡って買い取った店に戻ることがあるかもしれません。
しかし、すぐにその店で自分の売ったものを見ることはないでしょう。
ぼったくられている気がするんだけど…?
気持ちは分かります。
そして確かに、店では自社の利益の分だけ買取価格を低く設定しています。
(販売価格-買取価格=店の利益)
リサイクルショップや買取専門店なども商売であり、利益を得る必要があります。
そして、リサイクルショップや買取専門店で売ることによって余計な手間やトラブルを抑えることが可能です。
個人間売買であるフリマやオークションサイトでも中古品は売れます。
しかし、売るまでには手間もかかりますし、クレームやトラブルに巻き込まれるリスクもあります。
そういったことを減らすための手間賃として、ほんの少しだけ店に利益を出させていると考えてください。
不用品を売ってお小遣いゲットと社会貢献
リサイクルショップでは、さまざまなジャンルの中古品を売れます。
工夫次第で高値になることもあり、売り方を考えることも重要です。
とはいえ、査定額が気に入らなければ売らなくてもいいので、面倒な人はまずは気軽に査定してもらうのもアリです。