20代は、初めて社会人として働き出す人も多い年代です。
働き始めて気になるのが、みんなの年収レベル。
自分の年収は他の人と比べて高いのか、低いのか、検証してみましょう。
また、どうしたら年収を今以上にアップできるか今後の対策も紹介します。
20代の年収の平均値と中央値
20代はどれくらい年収があるのか、平均値と中央値をチェックしてみましょう。
以下は、dodaのまとめた年齢別の年収表(20代のみ抜粋)です。
年齢 | 全体 | 男性 | 女性 | |||
平均 | 中央値 | 平均 | 中央値 | 平均 | 中央値 | |
20歳 | 236 | 220 | 240 | 240 | 232 | 216 |
21歳 | 243 | 230 | 250 | 240 | 238 | 230 |
22歳 | 259 | 250 | 267 | 250 | 251 | 243 |
23歳 | 275 | 260 | 285 | 280 | 264 | 250 |
24歳 | 299 | 300 | 312 | 300 | 285 | 280 |
25歳 | 324 | 300 | 335 | 320 | 310 | 300 |
26歳 | 346 | 330 | 361 | 350 | 325 | 300 |
27歳 | 365 | 350 | 380 | 360 | 340 | 320 |
28歳 | 381 | 360 | 397 | 383 | 351 | 330 |
29歳 | 395 | 380 | 411 | 400 | 363 | 350 |
単位:万円
データによると、男女とも200万円台からスタートし、20代中頃に300万円台に突入することがわかります。
20代前半では男女差は少なくなっていますが、後半から差が広がり、最終的には50万円ほどの差が開いていました。
年収300万円の手取りと生活レベルとは?結婚生活・一人暮らしは難しいのか
平均値と中央値の差が小さい
表では、平均値と中央値が出ていますが、20代の年収では平均値と中央値の差が小さい傾向です。
つまり、20代の頃は、年収の高低差が小さく、ずば抜けて高年収の人は少ない、みんな横並びの傾向と言えるでしょう。
まだ、就労年数が少ないため、差が表れにくいことが分かります。
※ちなみに、59歳の年収の平均値は800万円、中央値は737.5万円でした。
働き始めて40年経った50代後半では、二つの値は60万円近い差が開いています。
20代の年収は50代の半分くらい
次は国税庁のデータ、年齢層別の平均給与のグラフです。
国税庁「令和元年分民間給与実態統計調査」
男性では、20代の年収は50代で迎える年収の最高金額の約半分であることが分かります。
女性はライフスタイルの変化によって働き方が変わる人が多いため、そこまでの伸びはありません。
学歴別にみた20代の給与
学歴別に見た20代の給与について、参考になるデータをあつめました。
学歴別の20代の初任給
まずは、厚生労働省の最終学歴ごとの初任給のデータです。
最終学歴 | 初任給 | |
男女計 | 大学院修士課程修了 | 238.9千円 |
大学卒 | 210.2千円 | |
高専・短大卒 | 183.9千円 | |
高校卒 | 167.4千円 | |
男性 | 大学院修士課程修了 | 239.0千円 |
大学卒 | 212.8千円 | |
高専・短大卒 | 184.7千円 | |
高校卒 | 168.9千円 | |
女性 | 大学院修士課程修了 | 238.3千円 |
大学卒 | 206.9千円 | |
高専・短大卒 | 183.4千円 | |
高校卒 | 164.6千円 |
令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況|厚生労働省
※高校卒は18歳なので、20代は高専・短大卒からです。
高専・短大卒である20歳の初任給は18万円台、大学卒以上になると男女ともに20万円台になります。
学歴別の20代の給与平均
次は、厚生労働省のデータから学歴別の給与平均額を見てみましょう。
以下のグラフはすべての年齢における学歴別月額賃金データです。
20代は、学歴の違いによる賃金の差はあまり大きくありません。
しかし、それ以降は徐々に学歴による差が大きくなっていきます。
以下は、「学歴、性、年齢階級別賃金及び年齢階級間賃金格差」の表です。
性、年齢階級 | 大学院 | 大学 | 高専・短大 | 専門学校 | 高校 | |
賃金
(千円) |
賃金
(千円) |
賃金
(千円) |
賃金
(千円) |
賃金
(千円) |
||
男 | ~19歳 | - | - | - | - | 182.4 |
20~24 | 252.3 | 229.1 | 213.7 | 213.4 | 204.3 | |
25~29 | 282.0 | 266.2 | 249.1 | 241.2 | 233.1 | |
女 | ~19歳 | - | - | - | - | 174.5 |
20~24 | 243.3 | 226.5 | 204.7 | 216.4 | 189.6 | |
25~29 | 274.4 | 249.4 | 224.6 | 236.1 | 201.5 |
高卒で20代になった場合と新卒入社した20代を比べると、専門学校以上で新卒入社した20代の方が賃金が高くなることが分かります。
また、20代後半では高卒と大卒の間に3~5万円ほどの差が開きます。
ひとつ注目したいのは、女性の専門学校卒の賃金です。
短大卒と同じ年齢での入社となりますが、専門学校卒の方がその賃金は高くなっています。
これには、女性の短大卒の初任給の低さに加え、専門学校卒の資格やスキルへの評価の高さがうかがえます。
専門学校で学ぶ実践的知識やスキルが高く評価された結果、賃金も高くなったと考えられます。
年収を上げる5つのポイント
20代は、まだまだ成長途中で、これから年収をアップしていける世代です。
これから先、年収を効率よく上げていくためにできることを紹介します。
資格を取得する
資格の取得は、やる気を見せるためにも、実践力を示すためにも役立ちます。
取るべき資格は、自分の仕事に関係のある資格です。
IT業界なら、基本情報技術者に応用情報技術者、経理部であれば、簿記や給与計算実務能力検定、BATIC(国際会計検定)などがおすすめです。
また、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)やTOEICなど、汎用性の高い資格もあります。
どんな資格が役立つか分からない場合には、先輩や上司に相談してみる、会社の給料規定などで手当の出る資格を調べるなどしてみましょう。
年収の高い職種にジョブチェンジする
年収をアップするためには、年収の高い職種、アップ率の高い職種を選ぶことも大切です。
事務系よりも営業や企画、専門職の方が年収は上がりやすく、営業のように自分の能力次第で上げ幅も変わる職種もあります。
自分に向いていることも年収を上げるために大切なポイントです。
今の職種が向いていない、給料が頭打ちになりそうな場合には、配属先の異動を希望することも検討してみましょう。
年収の高い業界に転職する
年収を上げるためには、転職も検討すると良いでしょう。
転職で年収でアップするには、そもそも年収が高い業界を選ぶことが必要です。
メーカーや総合商社、金融やITなどは、近年年収が高い傾向があります。
20代は、まだまだ実力(スキル・実績)よりもポテンシャルを見られる年代なので、未経験の異業種、異職種転職も可能です。
※ただし、年収が高い業界でも上がりにくい職種に就くと期待にそぐわない結果になることもあります。
自身の勤務する会社が年収の高い業界の場合、社内での異動で年収アップ年収を目指す方が安心です。
上司の印象を良くする
社内での評価は、昇進や昇給に重要な役割を果たします。
そのため、今の会社で年収を上げるには、上司から高評価を得られる努力もするべきです。
とはいえ、おべっかを使え、プライベートを犠牲にして上司に付き合えとは言いません。
上司の印象を良くするためには、ビジネスマナーをきちんと身に着け、実行すること、まずはコミュニケーションを密にすることが必要です。
ビジネスマナーで社会人として認められる
20代は、まだ実践的な力は少なく、専門的な知識や技能も満たないものです。
こうした力を付けるには時間がかかり、即評価にはつながりません。
しかし、ビジネスマナーは違います。
初任者研修などで学ぶチャンスもありますし、電話応対や文書作成などで身に着けたことをすぐに生かせます。
20代にとっては、社会人として一人前と認められることは第一条件であり、最初の課題です。
ここに早くたどり着くと、同僚たちから一歩先を歩めます。
コミュニケーションで自分を認められやすくする
上司も人なので、コミュニケーションを密に取っている部下の方が覚えやすく、目につくようになります。
また、コミュニケーションは社会人の基礎である「報・連・相」でもあります。
これを細かく行うことで、上司にいつでも自分がやっていることを知ってもらえ、成果や実力も見えやすくなります。
また、上司と連携を密にすることで、経験不足ゆえのミスなども未然に(もしくは最小限のうちに)気づきやすくなり、大きく評価を落とすリスクも防げます。
副業・独立起業も考える
年収を上げる=「お給料を上げる」ではありません。
それ以外の方法で収入を得られる可能性も見つけてみましょう。
副業は、本業である会社員の仕事の他に仕事を持つことです。
独立起業は会社を辞めて、自分で事業を起こすことです。
どちらも、会社の力を使わずに自分だけで稼ぐ方法であり、リスクもありますが、成功すると大幅に年収アップも狙えます。
フリーランスのメリット・デメリットとは?会社員・正社員の働き方と比較
20代はこれから年収アップを目指せる世代
20代の年収は、まだまだ年収が低く、今後の年収アップに期待できる年代です。
ただし、年収を上げるためには、ただ毎日を安穏と過ごすだけでは足りません。
日々の努力はもちろん、時には大きな決断をすることも必要です。
まずは社内など近場の努力から 試してみて、それでも足りない場合には目を外に広げてさまざまな道を検討しましょう。