年収200万円の人の暮らしぶりはどんなものか?
生活水準や一人暮らしの可否、ひとり親の生活について解説します。
手取り金額や生活費の内訳などが分かると、年収200万円のリアルが見えてくるでしょう。
年収200万って普通?
年収200万円は世間的に見て普通なのか、どれくらいに位置しているのか、解説します。
年収200万円とは平均以下?
国税庁による「令和元年分民間給与実態統計調査」では、給与所得者の平均を
- 男性 540万円
- 女性 296万円
と発表しています。
年収200万円は、男女限らず平均よりも少ない印象です。
どちらかというと年収の低い女性のみで考えても
- 女性の正規雇用 389万円
- 女性の非正規雇用 152万円
と女性でも正規雇用の場合には300万円台後半が平均となります。
年収200万円は性別問わず一般的に考えると低めと言わざる得ないでしょう。
年収200万円の占める割合・年齢層は?
年収200万円を稼ぐ人の年齢、占める割合を知っておきましょう。
以下のグラフは年齢層別の平均給与の変化です。
国税庁「令和元年分民間給与実態統計調査」
同調査では、年齢階層別の平均給与(年収)を提示しています。
表で見ると、20代以降はすでに年収200万円台後半となっており、年収200万円以下は10代に多いことが分かります。
30代で年収200万となるとかなり少なめです。
また、全体を占める年収200万円の割合は以下の通りです。
厚生労働省の「令和元年国民生活基礎調査」では、
- 世帯年収200万円未満は19%(うち100~200万円12.6%)
- 世帯年収200万円~300万円は13.6%
でした。
世帯主の年収200万円の割合
以下の表は世帯主や世帯主の配偶者など、家庭での立場ごとの年収200万円未満の人の割合です。
家庭での立場 | 性別 | 年収200万円の人の割合 |
世帯主 | 男性 | 6.30% |
女性 | 32.60% | |
男女計 | 11.20% | |
世帯主の配偶者 | 男性 | 18.30% |
女性 | 64.00% | |
男女計 | 63.50% | |
その他 | 男性 | 12.30% |
女性 | 49.70% | |
男女計 | 28.30% |
世帯主で年収200万円の割合は男性で6.3%、女性で32.6%でした。
世帯の家計を支える世帯主は、年収200万円以上稼いでいる人の方が多いということです。
女性でも200万円未満は3割程度に留まりました。
一方で世帯主の配偶者の方は、かなり高い割合の人が200万円未満のようです。
こちらは、夫や妻の扶養の範囲内で働く人や主婦業の傍らでパートなどをしている人が多いからかもしれません。
年収200万の手取りはいくら?
年収200万円の人の実際の手取り金額はいくらくらいになるのでしょうか?
税引き前の年収は200万円でも、税引き後は少し減ってしまうため、生活に十分な金額が手元に残るか心配です。
年収200万円の会社員の手取り金額の目安
年収200万円の会社員の場合の手取り金額の目安を紹介します。
まず、額面から差し引かれるものと大体の金額は以下の通りです。
(東京都在住・独身の場合を想定・年間にかかる概算)
- 健康保険料:約10万円
- 厚生年金保険料:約20万円
- 雇用保険料:約6000円
- 所得税:約3万円
- 住民税:約6万円
このため、年収200万円の手取り金額は約160万円とわかります。
年収200万円の会社員の月収の目安
ボーナスなしで単純計算した場合、毎月の給料は約16~17万円となります。
手取り金額は約13万円です。
世帯年収200万円の生活レベルは?
年収200万の生活レベルは、残念ながらだいぶ厳しそうです。
ローンや結婚なども夫婦が共働き(200万円×2)であればOKですが、専業主婦(主夫)希望の場合には大変になるでしょう。
年収200万で住宅ローンは組めない?
年収200万で住宅ローンを組むのは、かなり厳しいと考えた方が良いでしょう。
住宅金融支援機構「フラット35」は、年収200万円でも1600万円くらいまでなら可能とされています。
このケースでは返済期間35年・金利は1.61%、毎月の返済額は約5万円です。
月々の手取りが13万円として5万円を引けば、残るのは8万円。
それ以外の生活費を8万円で賄っていくことになります。
状況によっては不可能ではありませんが、少々危ない橋を渡るような気がします。
年収200万以下では結婚できない?
年収200万円でも、相手の年収次第で結婚しても安定した暮らしができます。
共働き夫婦も増えていますので、二人で協力して家計を支えていけば結婚も可能です。
しかし、専業主婦(主夫)希望の人と結婚すると生活にあまりゆとりはできません。
唯一の救いは、扶養家族が増えることで税金が減って手取りが若干増えること。
それにしても余裕はありません。
社宅で家賃も修繕費もかからない、お金のかかる趣味がない、節約上手であるといった特例以外は厳しいと考えましょう
年収200万未満の独身一人暮らしは生活できない?
年収200万の場合、独身暮らしで生活はしていけるのか、具体的な家計の内訳を考えてみましょう。
年収200万円の場合、やりくり上手になることが大切です。
年収200万円で一人暮らしOKの例
家賃の安い地方で一人暮らしの場合、細々と切り詰めることで生活費をまかない、貯蓄に回す金額もねん出できるかも知れません。
項目 | 金額(円) |
家賃 | 35,000 |
食費 | 35,000 |
水道光熱費 | 10,000 |
通信費 | 10,000 |
衣料費 | 5,000 |
交通費 | 5,000 |
交際費 | 10,000 |
医療費 | 10,000 |
貯蓄 | 10,000 |
計 | 130,000 |
ギリギリではあるものの、貯蓄もできます。
ただし、冠婚葬祭が続いたり大病を患ったりした場合、すぐに赤字になる可能性があるため注意が必要です。
できる時に堅実に貯蓄を続け、いざという時に備えましょう。
年収200万で一人暮らしは難しい例
以下のような人は年収200万円では暮らしていけません。
- 都内で一人暮らし
- ブランド品がほしい
- 交友関係が広く交際費が高い
- 複数の借金を返済している(奨学金、自動車ローン、デンタルローンなど)
都内のワンルームの家賃相場は、
- アパート:3.6万円(西多摩郡)~7.2万円(台東区)
- マンション:4.3万円(多摩市)~8.2万円(中央区)
また、23区でもっとも家賃平均が安かったのは江戸川区 5.6万円(マンション)でした。
(東京都の家賃相場情報|SUUMOより)
都内で家賃を安く済ませるためには、かなりエリアを限定されることが分かります。
また、上記の例でもわかる通り、かなり節約してギリギリなので、遊びのお金などが必要な人には無理です。
年収200万円の暮らしは楽ではない
年収200万円は、生活していけないわけではありません。
しかし、その生活水準は決して高くはなく、かなり節約をしないと成り立たないこともあります。
もしも、もっと豊かでゆとりのある暮らしをしたいなら、転職やプチ起業など、収入を増やす可能性にチャレンジしてみましょう。