転売は、世間ではあまり良いイメージがありません。
しかし、転売は本当に悪なのでしょうか?
そして、転売はなぜ悪いのでしょうか?
転売の印象が悪い理由、何をすると違法なのか、解説します。
また、似た商売であるせどりと転売の違いも知っておきましょう。
転売とは?
せどりと転売ヤーは同じ?答え:No!厳密には違います!
転売は、仕入れた商品を仕入れ値よりも高く売る商売で、せどりと少し似ています。
よく知らない人には、せどりも転売も同じに見えますが、実は稼ぎ方が異なります。
転売はせどりとどう違うのか、転売とは何か確認しておきましょう。
せどり=普通の商品を安く仕入れて適正価格で売る
せどりとは、主に小売店(ネットショップ含む)で販売されている商品を仕入れて売る商売です。
できるだけ安く売られているものを仕入れ、それを適正価格で売ることによって差額を利益とします。
特に変わった商品ではなく、本や衣類、家電製品などを仕入れるのが一般的です。
セールや激安店、中古であればリサイクルショップや個人間のフリマなどで仕入れます。
転売=レアな商品をプレミア価格で売る
掘り出し物の中には特別に定価や相場(市場価格)よりも高値で売買される商品が埋もれていることがあります。
それが以下のような商品です。
- 初版
- 数量限定
- 期間限定
- 限定おまけ付き
- 骨董品としての価値
- コレクターアイテム
こうした商品は、なかなか手に入らないため定価以上の高値でも欲しい人がいます。
高値でも欲しい人が多い人気商品にはプレミア価格(プレ値)が付き、定価の数十倍で売れることもあります。
骨董品などは判別が難しく、仕入れも困難ですが、初版品や限定アイテムなどはこれからでも仕入れが可能です。
転売ヤーと呼ばれる理由
転売ヤーは「転売」と「バイヤー」を組み合わせた造語です。
ネット用語から始まりましたが、素直に「転売する人」という意味ではなく転売を揶揄する意味が含まれます。
やはり、定価より高い価格で売ることに対して良くない(ズルい)印象を持つ人が多いということでしょうか。
転売は違法?転売でやってもいいこと・ダメなこと
転売は悪いことのように言われがちですが、実際に違法性はあるのでしょうか?
転売の違法性についてまとめました。
転売ヤーの中にも後ろめたいと思う人がいる
転売は周りの人だけでなく、やっている本人も悪いことをしている気持ちになることがあるようです。
でも、電気屋とか、古本屋で物色していると、人の ふんどし で すもうを取っているようで、
あまり良い気分ではないです。
正直、堂々としてることができない心境を心の中で感じます。
この方は、自分が同じ転売ヤーを見て腹立たしい思いを持ち、「自分も同じことをしているんだ…」と複雑な気分になっています。
「自分と同じ気持ちを持つ人はいないか」と転売やせどりの是非を問いかけていました。
転売は違法ではない
後ろめたい気持ちを持つ人もいますが、現実的には転売は違法ではありません。
そもそも商売というものは、安く仕入れて高く売り、その利ザヤを稼ぐこと。
欲しい人がその価格に納得して購入する分には、だましてもいないし、脅迫もしていないので、違法性はありません。
定価以上のプレミア価格を付けたとしても、その値段が気に入らなければ買わなければ良いだけです。
ネットオークションで、予想外の高値が付いたからと言って文句をつける人はいないのと同じです。
転売のやり方によっては違法!違法な転売方法を解説
転売は原則的に違法ではありませんが、やり方によっては違法となることもあります。
知らなかったでは済まないので、転売をする際には法律についても基本的なことは押さえておきましょう。
以下のようなやり方は違法行為に当たります。
古物商許可を得ないで中古品を転売
この法律に違反!
- 古物営業法
中古商品を継続的に仕入れて販売する時には、古物商許可が必要です。
取得せずに中古品を商売として販売していた場合には、古物営業法の違反となります。
罰則は3年以下の懲役または100万円以下の罰金、さらにその後3年間は古物商許可を取れません。
ただし、自分の持ち物やもらいものを販売する際には古物商許可は必要ありません。
ライブ・人気イベントのチケット転売
この法律に違反!
- 迷惑防止条例(都道府県)
- チケット不正転売禁止法
人気が高いライブチケットやサッカー・オリンピックなどのイベントのチケットの転売は上記の条例や法律に違反している可能性があります。
チケット転売でもすべてが当てはまるわけではありません。
以下のようなケースでは条例違反、違法となります。
違反となる可能性のあるケース | 違反・違法となる細かい条件 |
ダフ屋行為が禁止されている都道府県での転売 |
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エンタメ系の観覧チケット・スポーツイベント観戦チケットの転売 |
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違法ではないけど迷惑な転売ヤーの行為
転売には法や条例に引っかかるケースもありますが、違法ではなく真っ当に商売している人もいます。
しかし、中には違法スレスレでの迷惑行為をする悪質な転売ヤーもいるのが現実です。
違法ではないけどショップに迷惑をかけた
転売が悪者扱いされるのは、一部の悪質な転売ヤーが販売店に迷惑をかけたせいです。
迷惑を被ったのは、主に仕入れ先となるリサイクルショップや家電量販店など。
価格リサーチのために長居したり、商品を荒らしたりする悪質な転売屋が後を絶ちません。
そのため、店側も転売屋を警戒して「転売屋お断り」「転売リサーチツールの店内利用お断り」等の対応が始まりました。
違法ではないけど一般消費者に迷惑をかけた
商品の買い占めや高値転売をすることで、一般消費者にも迷惑をかける転売ヤーもいます。
買い占めによって、自分で使いたい消費者の手に商品が届かなくなり、転売屋への非難の声が集まりました。
また、転売する際の高すぎる価格帯は社会問題としても取り上げられています。
希少性が高く人気のある商品にプレミアがつくのは仕方ないとも言えます。
しかし、定価で買えるものにそれ以上のお金を払うのは消費者にとって不利益でしかありません。
転売屋のせいで取り締まる法律ができた
転売ヤーの買い占めと高すぎる販売価格が問題となり、新しくできた法律もあります。
2019年に施行されたチケット不正転売禁止法は、ダフ屋の禁止だけでは取り締まれなかったチケットの転売行為を防ぐために作られました。
また、国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令は、コロナ禍でマスクやアルコール消毒製品の転売規制のために出されました。
(その後規制は解除)
違法や悪質な転売はしない、あとは自己判断で
転売は、そもそも悪いことではなく、法律に則って行えば合法的な商売です。
しかし、悪質な転売屋が多いのも事実ですし、違法性はなくとも定価よりも高値で売るスタイルへの批判や罪悪感も避けられません。
違法かどうか、または悪質かどうかはともかく、どうしても転売は嫌われる傾向です。
法に基づいて転売で稼ぐのは止めませんが、どうせ同じような稼ぎ方をするなら「せどり」をおすすめします。
せどりであれば、高すぎるプレミア価格をつける必要もなく、転売よりも悪印象がありません。