プチ起業という言葉が流行っています。
起業というと大仰ですが、「プチ」が付いたことでなんとなく身近に感じる人も多いでしょう。
副業とはどう違うのか、どんな楽しさがあるのか、プチ起業とは何かについて解説します。
プチ起業と副業の違い
「プチ起業っなに?」という疑問に答えるためには、副業と比較してみるのが一番分かりやすいかもしれません。
特に厳密な定義が発表されているわけではありませんが、以下のような基準で考えておけば大丈夫です。
基本的に(ルール・実際の行動)は同じもの
プチ起業も副業も、基本的には同じことです。
どちらも本業(本職)の傍らで行い、稼いだら確定申告が必要となります。
また、会社員がする時には就業規則で「副業禁止」になっていないことを確認しなければいけません。
「いや、これは副業ではなくプチ起業なのでセーフです!」
と言っても通用しません。
「プチ起業」は専業主婦でも使える
プチ起業と副業の唯一(?)の違いは、金銭が発生する本業の傍らでやるかどうかです。
専業主婦(主夫)など、金銭が発生する本業を持っていない人がするのはプチ起業。「本業」がないため、「副業」とは言いません。
(いや、主婦(主夫)業はれっきとした仕事ですけどね。
ここでは一応「お金を外部から稼ぐか否か」で線引きします)
あくまで起業家として働くのがプチ起業
副業は、本業のサブとして行う脇役の仕事です。
副業はそもそも「本業ありき」だし、バイトでも日雇いでもいいし、「起業」しなくてもOKです。
しかし、「プチ」でも「起業」と言うからには、やはりきちんと起業家として働かなければいけません。
起業は、自分で事業を興す(起こす)ことです。
事業をしない場合には、副業の域を出ることはないのです。
副業バイトはプチ起業ではない
サラリーマンが副業でバイトをするのは、プチ起業ではありません。
基本的には、雇用される仕事ではなく独立した事業をすることが「プチ起業」の条件です。
バイトや日雇い、単発の派遣などは、あくまでも副業、誰からも雇用されずに自分で事業をするのがプチ起業です。
プチ起業のメリット・デメリット
プチ起業にはメリットとデメリットがあります。
プチ起業という変わった起業方法ならではの良さと困る点を見てみましょう。
プチ起業をすることのメリット
プチ起業のメリットは、収入+楽しさです。
収入が増える
プチ起業では収入を得る方法と収入金額が増えるので、生活にゆとりが出ます。
本業として会社員をしている人は、本業以外の収入が増えることで倒産リスクや減給リスクに備えられます。
専業主婦(主夫)で金銭の発生する仕事をしていない人は、自分の収入ができることで小遣いとして使ったり(離婚準備金を積み立てたり)できます。
知見が広がる
プチ起業では、新たに事業を興すことでさまざまな知識や経験を積むことができます。
経験者に会って話を聞いたり本を読んだり、セミナーなどで学ぶ機会もあるでしょう。
おのずと積極的な行動が増え、それに伴って知見が広がります。
キャリアの幅が広がる
プチ起業は、自身のキャリアにもつながります。
事業計画を立てる、資金を集めるなどの経営者目線での経験も積めますし、経理なども自分でやります。
また、本業とは違うジャンルの事業なら、そのジャンルの経験も積めます。
こうしたすべての経験は、自分のキャリアとなり、将来の選択肢も広がりそうです。
やりがいを見出せる
プチ起業をすることで、本業の仕事で得られなかったやりがいを見出すこともあります。
小さいとはいえ、自分の事業なので、主体的に行動でき、自分の力を試せます。
そのため、会社でのルーティンワークや流れ作業、上司に指示される毎日に鬱々としていた人も、イキイキ働けるようになることがあります。
将来的に独立も可能
プチ起業は、売上や経営状況次第では、「プチ」ではなく本格的な起業に転換することも可能です。
将来的に独立したい人も、まずはプチ起業から始めて、その道一本で食べていけると確信したら独立しても遅くありません。
本格的な起業ではなく「プチ起業」を選ぶメリット
本格的な起業よりも良い点を紹介します。
ハードルが低い
プチ起業の良さは、小さく始めて徐々に大きくして行ける点です。
「趣味の一歩先」くらいの規模でも始められるためハードルが低く、失敗してもリスクが大きくなりません。
もし、本格的に事業をやっていきたい場合も、小さく初めて、軌道に乗ってから大きくすれば良いのです。
学生でも高齢者でもできる
プチ起業は、大きな資金調達も大きな店舗も必要ないため、誰でも気軽に手を出せます。
やりたいのであれば、学生でもできますし、老後の楽しみとして始めることも可能です。
起業家として経験もないし、お金もない、この先何十年も続けられるか分からない・・・
そんな人でもできるのが、プチ起業です。
プチ起業のデメリット
プチ起業で注意したいデメリットも見ておきましょう。
自分一人での勝負となる
プチ起業は、基本的には従業員を持たず、自分ひとりだけで行うことが多くなります。
そのため、誰かに助けてもらうことができません。
知識もスキルも自分のものだけで勝負するため、それらが不足していると成功できないこともあります。
経理的な知識や事務作業も必要
プチとはいえ起業は起業なので、収入が増えれば確定申告も必要ですし、日々の取引の計算も必要です。
最終的には、経理の知識や税務申告の知識なども必要となります。
ものを売る仕事なら「売ることばかりを考えていればいい」
イラストを描く仕事なら「描いているだけでいい」
・・・とはいかないのがプチ起業です。
事業を営むにあたり、必要な事務作業も増えます。
本業や生活に支障が出ることもある
プチ起業は、別に仕事を持っている人、子育て中の専業主婦(主夫)などもできます。
しかし、プチ起業に力を入れ過ぎてしまい、本業の仕事がおろそかになってしまうことには注意が必要です。
また、ダブルワークで体力や気力を奪われ、何もする気が起きなくなることもあります。
プチ起業に夢中になりすぎて、本業でミス、居眠り、疲れてグッタリなど、支障が出ない程度に自分でコントロールしなければいけません。
プチ起業で毎日をワンランクアップ!
プチ起業は、お金ややりがい、将来の希望を連れてきてくれる上に、リスクも少ない起業方法です。
誰でも始められて、もし成功したら左うちわの生活が待っているかもしれません。
ただし、デメリットとして本業に支障が出るなどもあるため、できる範囲で無理なく続けることも大切です。