転職や就職では、求職者のスキルが重視されます。
自社や配属予定の部署で使えるかどうかはもちろん、その人が今までのキャリアの中で成長してきたか、年齢相応のスキルはあるかなども見られます。
就職・転職予定の人は、書類選考や面接の場で何をアピールすれば良いか、企業の注目ポイント・アピール方法などをチェックしておきましょう。
企業が求人募集で注目するスキルとは
企業が求人募集で注目するのは、スキルの高さやスキルの数ではありません。
企業は、自社の目的に合うスキルを持ち、自社でイキイキと働いてくれる人を探しています。
また、これまでスキルを獲得するために努力してきた背景を知りたいとも思っています。
これは、採用後も努力して成長できるかどうかを見られているということです。
そのため、選考の際には的の外れたスキルをペラペラアピールするのではなく、採用側が期待している回答を選ぶことが必要となります。
ポータブルスキルとテクニカルスキル
企業が知りたいスキルは、2種類あります。
それは、ポータブルスキルとテクニカルスキルです。
ポータブルスキルとは、どの会社でもどんな仕事でも通用する「持ち運べる(ポータブル)」スキルを指します。
社会人経験から身に付けられることもありますが、学生でも得られるスキルもあります。
一方、テクニカルスキルとは、特定の仕事で発揮できる専門的なスキルを指します。
営業であれば営業活動で必要なスキル、事務であれば事務作業で必要なスキルなどがテクニカルスキルです。
ポータブルスキルの例
業種や職種によらず、どんな会社で働くにしても役立つスキルです。
- マルチタスク力
- 論理的思考力
- 変化対応力・柔軟性
- 自分で考え行動できる力
- チャレンジ精神
- データ処理能力
- 課題を明らかにする力(現状の把握、課題の設定方法)
- 計画を立てる力(スケジューリング、タスク管理)
- 社内対応力(上司・経営層からの指示への対応力や提案力)
- 社外対応力(顧客・パートナー企業との関係構築や継続)
テクニカルスキルの例
営業のテクニカルスキルには以下のようなものがあります。
- 交渉力
- ヒアリング力
- コミュニケーション力
- プレゼンテーション力
経理事務では以下のようなスキルが重宝されます。
- 正確性
- 分析力
- 調整力
年齢とポジションに応じたスキル
企業が人材を採用する際には、その人の年齢ごとに「これくらいのスキルを保有していて欲しい」と期待していることがあります。
若い年代であれば、経験も浅いため浅いなりのスキルを、年齢が進めば経験も積めるため、それなりに高度なスキルを期待する傾向です。
20代が注目されるスキル
20代は、まだ社会人としても経験が浅く、専門的な業務にも精通していないことも多いものです。
業務に関する専門性は今後、自社の教育や実践の中で学んでいってほしいと考えられています。
そのため、就職や転職で見られているのは、ビジネスパーソンとして基本的なスキルです。
広く浅い社会人としての基礎、ポータブルスキルが特に注目されています。
また、資格や学歴などから見えるポテンシャルも重視されるポイントです。
30代が注目されるスキル
30代に求められるのは、実践経験の中で培われた即戦力です。
そのため、20代とは違い、専門分野でのテクニカルスキルもしっかりと見られます。
また、自分の仕事だけでなく、チームのマネジメントや部下を指導・育成する機会も得る年代なので、ポータブルスキルもワンランク上のレベルが求められます。
職場全体の課題を解決する力、自らの考えを発信する力、周囲を動かす力など、マネジメント関係のスキルがあると採用担当者の評価も上がります。
40代が注目されるスキル
40代の転職では、これまでの実務経験から得た高い専門スキルとともに、組織のビジョンを構成する力や戦略立案のスキルなども求められます。
30代ではチームリーダーなどの経験やまとめるスキルを見られましたが、40代ではグループや部門など、より広い範囲をマネジメントする力が期待されます。
転職活動でのスキルのアピール方法とは
転職活動や就職活動では、自分のスキルを知ってもらうことが重要です。
アピールの方法が悪いと、せっかくのスキルを採用担当者に知ってもらえず、良い結果につながりません。
書類や面接で上手にスキルをアピールし、採用担当者に興味を持ってもらえるコツを解説します。
具体例を出す
スキルをアピールする際には、「○○ができます!」だけでなく、それによって成し遂げた実績などを添えることが大切です。
採用担当者が、そのスキルに対してよりリアルにイメージでき、自社でスキルを発揮する姿を思い描くことができます。
スキルアピールの例文・定型
「顧客と信頼関係を構築にする力があります。」
↓↓↓(工夫ポイントを加えてアピール)
「お客様と向き合う際には、一人ひとりのライフスタイルや人生設計に寄り添うことを心がけています。ヒアリングでは細かな点にも耳を傾け、そこから得た情報に沿ってお客様のタイミングに合わせた提案を行ってきました。」
「マネジメント力に自信があります」
↓↓↓(年数や人数・パーセントなどの数字を使ってアピール)
「前職では〇年間にわたり、○○人規模のチームをリーダーとしてまとめていました。プロジェクトの効率化のために○○を重要と考え、・・・に力を入れました。その結果、売上の〇パーセントアップを達成したこともあります。」
「STAR」を意識する
「STAR」は、自分のスキルをアピールする際に使える手法です。
以下の頭文字の示すことに自分の回答を当てはめていくだけで、自己PRが完成します。
- S(Situation):どのような状況で
- T(Task):どのような課題があって
- A(Action):どのような行動をしたら
- R(Result):どのような成果が出たのか
スキルアピールの例文・定型
「前職では、管理業務に携わっておりました。
部署内では、手作業によるミスや情報の見落としが発生しており(Situation)
精度の高さとスピードが求められていました。(Task)
そこで、データの電子化とクラウドシステムを利用した部署内での共有を実施しました。(Action)
その結果、ミスや情報の見落としは〇〇パーセント減少し、リアルタイムに情報を共有することで業務スピードも○割アップしました。(Result)」
就職や転職ではスキルがものを言う
就職や転職活動では、自分がその会社でどれだけ有能に働けるか知ってもらうことが大切です。
スキルをアピールすることは、より的確に自分の有能さを伝える方法ですが、伝え方が間違っていてはムダになってしまいます。
書類作成や面接の際には、採用担当者にどのスキルをどんな形でアピールしたら良いか、しっかり考えて準備しましょう。
年齢に応じて求められることも違うため、自分は何を求められているか理解することも大切です。