会社のボールペン、ティッシュ、消しゴムなどをこっそりと家に持ち帰ったことはありますか?
会社員をしていると、さまざまな事務用品や消耗品などの備品類を仕事で使います。
毎日のように気軽に備品を使っていると、つい自分のもののように感じ、軽い気持ちで「自宅でも使おう」と持ち帰ってしまう人もいるようです。
しかし、備品を自宅に持ち帰るのは、意外とリスクが高い行為なのです。
会社の備品を持ち帰るのは犯罪です!
軽い気持ちやつまらない動機で会社の備品の手を出す人は多いようですが、備品のパクりは重大な結果につながることもあります。
その人の立場ややり口次第では、小さな備品とはいえど犯罪として刑罰などの対象になるものです。
会社の備品をパクるのは窃盗罪と横領罪の可能性
会社の備品をパクる行為は、窃盗罪と横領罪が適用されます。
無断で他人(会社)のものを取るのだから当然です。
- 窃盗罪は会社でのその人の立場に関係のないものを取った罪
- 横領罪はその人が預かっているモノを自分のものにした罪
で、仕事でその備品を管理する立場にある人の横領は業務上横領罪です。
つまり、
- 会社のノベルティや自分のものでない備品を自宅に持って帰ったら窃盗罪
- 自分に支給されているパソコンを自分のものにして売り飛ばしたりしたら横領罪
となります。
窃盗罪は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金、業務上横領罪の刑罰は10年以下の懲役です。
業務上横領罪は、罰金刑がなく懲役のみと、非常に厳しい刑罰になっています。
会社の備品をパクる行為は懲戒処分の対象にも
会社の備品を自分のものにすることは、懲戒処分の対象にもなります。
懲戒処分は、国の法律での刑罰ではなく、会社内のルールに基づいて行われるものです。
懲戒処分としては、減給や降格、ひどい場合には懲戒解雇もありえます。
現実的には見逃されることが多いが要注意
会社の備品のパクりは、刑罰や懲戒の対象となります。
しかし、実際にはあまりにもひどいケース以外は見逃されていることが多いようです。
とはいえ、実際に訴えられたらパクリをしていた方が悪いのは確実なので、会社の備品を勝手に持ち出すのは避けた方が良いでしょう。
つまらない数百円程度の備品で減給や退職金なしの懲戒解雇にでもなったら目も当てられません。
まわりから白い目で見られて社内に居づらくなることも!
会社の備品をパクる理由とは
備品をパクったことのある人は意外と多いものです。
しかもその理由はそれほど切実ではありません。
だって、ボールペン一本買えなくて苦労している会社員など、あまり見かけないですから。
私用で使うため
備品をパクる理由の一つは、自分で使うためです。
ちょっとした軽い気持ちで持ち帰り、もしくは会社内にて私用で使います。
もちろん、自分で買えないわけではありませんし、特にそれがなくても不自由はしません。
それでも自分で買うのは勿体ない、費用を少しでもケチりたいといった思いでやってしまうのです。
備品を大量に消費する人も
中には会社の備品を大量に消費する人もいます。
たとえば、プライベートで同人誌などを楽しんでいる人が、会社のコピー機で自分の作品を印刷する、などです。
何十冊分のコピー用紙やインク(印刷にかかる諸々の費用も含め)を使っていることになります。
転売して小遣い稼ぎ
会社の備品をパクる人の中には、それを転売して小遣い稼ぎする人もいます。
USBメモリやコピー機の替えインクなど、小ぶりで高く売れやすいものがターゲットです。
また、会社独自のノベルティなども狙われています。
こうしたものをオークションサイトやフリマサイトで売りさばけば、元手がゼロ円なので丸儲けです。
会社への嫌がらせ・ストレス解消
会社の備品を取れば、その分会社には迷惑がかかります。
そのことから、会社への嫌がらせで備品をパクる人もいるようです。
会社に日ごろから不満を持っている人が、こっそりと備品を取って仕返しをするのです。
小さなことですが、一時的にでも会社に一矢報いた気がして気分がスッキリするのでしょう。
パクリの標的になる備品・取られやすい備品の種類
会社の備品で取られやすいものをジャンルごとにまとめました。
文房具類
まず気軽にパクる人が多いのが文房具類です。
業務中に使う機会が多く、うっかりポケットやカバンに入れてしまうことも多くなります。
個人に支給されていることも多く、「自分のものだ」と勘違いしてしまうこともあるのでしょう。
- ボールペン
- 消しゴム
- マジックペン
- ノート
- 封筒
- クリアファイル
- ペーパークリップ
- ステープラー(ホチキス)
- 朱肉
- 付せん
- コピー用紙
- テプラ
日用品類
日用品は、自宅でも使えて便利だし、無造作に管理されていることも多いため、罪悪感なく持ち帰りやすいものです。
トイレットペーパーはかさばるため、大量に持ち帰るのは難しそうですが、ちょこちょこ盗む人がいます。
スーパーや公共施設のトイレなどでも盗み防止の対策をしているところを見ると、問題は職場だけではないようです。
- トイレットペーパー
- ティッシュペーパー
- マスク
- コーヒー豆・ティーバッグ
- 電球
- 乾電池
- 懐中電灯
- 工具類
パソコン・電子機器関連
パソコン周辺の備品もよくターゲットになります。
理由は、自宅でも使えるし、転売するとよく売れるためです。
- USBメモリ
- マウス
- テンキー
- USBケーブル
- 充電器
- 電卓
- インクカートリッジ
切手や収入印紙
備品ではありませんが、切手や収入印紙などを気軽に持って行く人もいます。
これら金券も転売目的にパクる人が多くなりますが、実際には切手類は高く売れません。
こんなこともNG?ついやりがちなパクリ行為
会社で普段、何気なくやっている行為が窃盗や横領にあたる場合があります。
知らなかったでは済まないこともあるため、何がアウトで何がセーフかはっきりと区別しておきましょう。
厳密にいえばアウト!な行為
実際に罰せられることがなかったとしても、厳密にいえばアウトな行為を紹介します。
会社のボールペンやノートを持って帰る
会社のボールペンやノートなど、どんな小物であろうと無断で持ち出せば、窃盗罪や横領罪の可能性があります。
うっかり一日持ち帰った程度では、罰せられることはほぼありませんが、数量や持ち出し方、金額によっては何らかの処分を受けるかもしれません。
携帯電話に充電する
自分のスマホや携帯電話に、会社のコンセントから充電すると、電気を盗んだことになります。
そのため、これも窃盗罪にあたる可能性があります。
ただし、会社から支給されている携帯電話は別です。
また、私物のスマホを仕事でも使っている場合もこの限りではありません。
会社の電話を私用で使う
会社の固定電話やスマートフォンなどから、自分のプライベートな電話をかけることも厳密にいえばNGです。
経費(電話料金)の横領にあたる可能性があります。
また、会社によっては情報漏洩など、セキュリティ面での規則違反になることもあります。
会社の営業車を私用で使う
会社の営業車を使って、私用を済ませた場合なども、窃盗罪のリスクがあります。
自動車も会社の備品の一種ですし、ガソリン代などもかかっているためです。
一時的な使用でも窃盗罪に問われる可能性があります。
また、会社の勤務時間に私用で外出すれば、職務専念義務違反で懲戒の対象にもなります。
退職時に制服などの貸与品を返さなかった
入社時に配られたもののうち、貸与された品については退職時に返還しなければパクリになってしまいます。
制服や作業服、社員証などがあります。
会社から特に指示がなくても、衣類はクリーニングして返却するのが常識的です。
これはセーフ!公私の区別で見分けて
今度は、やってもいい社内備品などの利用方法です。
ポイントは、目的が会社の業務に関連するかどうかです。
仕事で使う備品を社内の自分のデスクにしまう
仕事で使うペンやノートなどを社内のデスクに保有するのは、窃盗には当たりません。
勝手に社外に持ち出したわけではないためセーフです。
社員旅行の予約を会社の電話で行う
会社の電話を使って社員旅行の予約をするのもセーフです。
社員旅行自体は会社の業務ではなく福利厚生ですが、その準備をするのは業務の一環となります。
社員旅行以外に、会社の飲み会のセッティングや休暇中の社員への業務連絡などで会社の電話を使うのもOKです。
在宅勤務で使うパソコンを自宅に持ち帰る
リモートワークで在宅勤務できる会社も増えてきましたが、そのために会社の備品を持ち帰るのは問題ありません。
会社の業務で使用するパソコンや事務用品、消耗品は、自宅など、会社指定の場所へ持ち出せます。
ただし、使用目的は業務のみとし、私的流用はできません。
また、パソコンなどは定められた場所以外で使用すると情報漏洩のリスクが高まり、規律違反となることがあります。
会社からもらったものを家に持ち帰る
会社が、自社ブランドの試供品やノベルティを配布してくれることもありますが、それらを自宅に持ち帰って使うのは問題ありません。
会社によっては企業宛てに来たお中元やお歳暮を社員に分けることもあります。
そういったものも、会社が「個人で使っていいよ」とくれたものなので、持ち帰りOKです。
ただし、福利厚生の一つとして提供されているもので、社員の休憩のために提供しているお茶などは、その場で飲むためにあるものなので持ち帰ってはいけません。
会社の備品についての皆の口コミ・考え方は?(会社の備品を持ち帰る人々)
会社の備品を持ち帰る、パクることについては、疑問や不安を持っている人も多くみられます。
会社の備品を持って帰る行為をどう思っているのか、他の人の行動や考え方を見てみましょう。
配偶者が備品を持ち帰ってくる
夫が会社の消耗品や備品を家に持ち帰ってきます。
ボールペンやコピー用紙、トイレットペーパーはもちろんのこと、最近は乾電池やハンドソープ、業務用のアルコールタオル、業務用はさみまで持ち帰ってきます。
きっと家計の節約を考えてのことだと思うのですがとても心配です。
私が「あなた大丈夫なの?」と言っても「大丈夫だよ、みんなやってるし」と言います。
これは明らかにNGで、この配偶者の行為を咎める回答も多く出ていました。
しかし、やはり「みんなやっているから大丈夫」と根拠のない安心感を持っている人は多いようです。
言われても分からない人も
本来経費で購入したものは会社のモノなので
持ち帰るなんて言語道断なのですが
本人に罪の意識はなく、何度遠回しに言っても馬耳東風です。
これは、従業員が罪悪感なしに備品をパクることに頭を悩ませる備品補充担当者の口コミです。
やはり会社の備品を持ち帰ることを窃盗などの罪だと思っていない人もいます。
罪を追及して良かったのか不安に
会社の先輩が備品を持ち帰る癖があり、私的に黙って見過ごす限界を感じた為、他の方へ相談しました。
後日上司へ報告する結論に至りましたが、黙っていた方が良かったのではないか?という不安な気持ちが続いています。
同僚などのパクリを告発する側にも不安な思いがあります。
この方は、先輩から逆恨みされるのではないかと考え、悩んでいました。
自分は全く悪くないのに気の毒です。
備品をパクるのは犯罪!見逃されていてもNGです!
会社で仕事をするために支給される事務用品や電子機器などは、会社の業務以外で使うことは許されません。
たとえ他の人がやっていても、見て見ぬふりする社風があっても、万が一指摘され、糾弾された時に言い逃れができなくなってしまいます。
私的利用が認められていないものを勝手に私用で使うのは避けましょう。
関連記事